TVアニメかつ神(かつかみ)、なんか最終回だったんだが
どうして…どうして…
(ハンク違い)
まいど、初投稿です(以下暫く自分語り)。
気合を入れて夏クールのアニメを見すぎた戒めと、見たんだぞという記録を兼ねて感想を書こうと思います。
まずはいつの間にか最終回がやってきた「かつ神」から参ります。
tvアニメ公式サイト https://katsu-kami.com/
⚠︎注意⚠︎ ネタバレしかしない 原作既読アニメ既視聴勢にとっては退屈でしかない繰り返し過多 逆に未読未視聴勢でもアニメの範囲までなら履修できるかも(?)
おこがましいですが評価置いときます
作画 ★★★★★☆☆☆☆☆
脚本 ★★★★★★★☆☆☆
意外性 ★★★★★☆☆☆☆☆
総合 ★★★★★★☆☆☆☆
可もなく不可もなくというところです。 夏アニメは相対的に見て豊作でしたから、こうなるのもやむなしです。
キャラクター
ハンク(cv.小西克幸)
シャール(cv.加隈亜衣)
ケイン(cv.中村悠一)
エレイン(cv.能登麻美子)
ライザ(cv.日笠陽子)
クロード(cv.石川界人)
キャスト
特段言及することはありませんが、強いて言うならライザ役日笠陽子さんの演技はかなりイキイキしていたように感じました(笑)。
あらすじ(粗筋)
「擬神兵」―人の身に神の如き力を宿した兵士たち―が戦場の神として名を馳せて程なく、力を暴走させたかつての部下を「獣」としてではなく「人」として終わらせるというかつての誓いを果たすべく、元擬神兵部隊隊長・ハンクは幼なじみで同部隊隊員であったエレインと似た碧眼の少女、シャールと出会う。シャールは擬神兵であった父を殺したハンクを恨みながらも、悲劇の原因をこの目で確かめるため彼と行動を共にするのであった。
少々複雑ですが、登場人物たちの行動と動機がしっかりと結びついており特に疑問を抱く点はありませんでした。
†早速本編の振り返り行きます†
物語序盤
- ハンクの大目標
「全擬神兵を殺し、誓いを果たす」で間違いないでしょう。遍く擬神兵はいずれ理性を失うということが明かされているからです。 エレインの仇であるケインも当然その中には含まれています。
- シャールの大目標
「父は何故殺されなくてはならなかったのか、その真実を見届ける」です。当初は父の仇であるハンクに憎悪を剥き出しにしていた彼女ですが、かつての仲間に手をかけるハンクの苦しげな表情に心を動かされたのか、ハンクと共に行くことを決意します。
2人の想いは過去に向いているのが特徴的です。そしてこの時ハンク→シャールのベクトルで影響を与えています。
ハンクとケインの因縁
ハンク、ケイン、エレインは幼なじみで擬神兵部隊の仲間でした。エレインは擬神兵の生みの親とも言える科学者(?)でもあります。理性を失った同胞を目の当たりにして、彼らを救ってやれない自分を責めることしか出来ませんでした。そんな彼女の背負うものを少しでも軽くするためか、ハンクは隊員たちに「誓い」を宣言します。それは「理性を失った仲間は自分たちで殺す」というものでした。何人かの擬神兵が同胞によって討たれた頃、戦争は終結しました。近い将来、理性を失った擬神兵が戦乱の火種を生むことを確信していたエレインは擬神兵をも殺しうる「神殺しの弾丸」を開発。まずハンクにこの銃弾を撃ちこみ、ハンクを殺害。しかしこの時ケインの裏切りにより神殺しの弾丸を受けエレインは死亡。
数ヶ月後、人間離れした生命力を発揮しハンクは目覚めます。朧気ながらにケインの裏切りを目撃していた彼は目覚めた直後でありながらケインに対しての怒りを爆発させます。
ケイン!!!!!
このハンクが壁を殴りつけるシーンはとても印象的でした。
この時点でケインの目的は謎に包まれていますが、物語が進むにつれて明らかになっていきます。
余談ですが、恐らくエレインとハンクは恋愛関係だったのでしょう。アニメの内容だけではわかりませんが、ぶっちゃけケインはかなり男前ですが性格は外道なのでハンクを選んだエレインはいい女ですね。 2人が談笑する後ろでケインが怒りに顔を歪ませるという描写がありますがこれは嫉妬でしょうか。恋は盲目と言いますが明らかに嫉妬剥き出しの幼なじみに気づかないとは2人ともかなり抜けてるんですかね。
物語中盤~
物語が大きく動いたのはTVアニメ第6話「獣の王」。ガーゴイルとの死闘の後、突如として現れたケインにシャールを人質に取られたハンクは、あえて誘いに乗る形でケインの残した言葉に従い夜会に参加します。そこにはクロード率いる部隊であるクーデグラース(後述)が待ち伏せしており、ケインが従えている擬神兵たちを含めた三つ巴の様相を呈します。
突然の能力紹介
- ハンクの能力
通称:ウェアウルフ つまり人狼。夜でないと真価を発揮しないもののとてつもない力を秘めている。
- ケインの能力
通称:ヴァンパイア 瞬間移動っぽい能力、血液を操る能力などかなり盛られている。っょぃ。
続き
ケインはハンクの能力に心酔しているようで、彼のことを「獣の王」と呼んでいます。 「人」であろうとすることがハンクの弱みであると言うケインは、人質であるシャールの脇腹に銃を一発撃ち込み彼の持つ本来の力を解放させようと試みます。 銃弾を受けたシャールの姿はケインの凶弾に倒れたエレインの姿と重なり、ハンクは理性を失うほどに怒り狂います。恐ろしく巨大化したその姿はまさに「獣の王」。 モンスターハンターでいえば災害級の古龍種に匹敵するんじゃないか?というレベルです。 理性を失いまさしく「獣」と化したハンクは近くの街「ホワイトチャーチ」を蹂躙した後行方知れずとなってしまいます。この事件は「ホワイトチャーチの悲劇」と呼ばれ、以降ハンクは他の擬神兵と共に命を狙われる存在になりました。
正直この展開にはかなり驚かされました。今まで毅然に「人」として振舞ってきたハンクでさえ「獣」に堕ちてしまう…。加えてまさかの主人公不在ですから、面白くなってきたなと感じました。
続いて第7話「追憶の引鉄」。第6話からひと月ほど経ち、未だハンクの行方はしれず。里帰り中のシャールは偶然にも自らの故郷でクロードたちクーデグラースと合流する。
クーデグラースとは何か
クロード率いる、擬神兵討伐のために組織された少数精鋭の兵士たちのことである。近代的なガトリングガンなどの兵装や、「進撃の巨人」の立体機動装置よろしくガスを噴射して素早く移動することができる兵装を使用する。
そこでシャールたちが目の当たりにしたのは恐るべきモノでした。それはハンクによって殺されたはずのシャールの父。通称はニーズヘッグであり、その名の通り竜の姿をしています。しかし体は腐敗が進んでおり明らかに様子がおかしい。いわばゾンビのように変わり果てた父の姿を見て彼女は困惑した様子でした。紆余曲折を経て、彼女は自ら神殺しの弾丸を父に撃ち込みます。
戦前、シャールとその父は孤児院を経営しており決して裕福な暮らしではありませんでした。森で動物を狩ることも少なくなく、彼女が持ち歩いている猟銃はその際用いられたものです。彼女は銃の扱いを父から教わっていましたが鹿に手をかけるのを躊躇うほど抵抗があったようでした。
父から教わった銃でその父を殺すとは皮肉なものです。引鉄に指をかけたその時、シャールは自らとハンクの想いを重ねます。
その人の思いを守るために、ハンクはその引鉄を引くのだ。
ハンクは多くを語らない男ですから、行動を共にしていてもシャールと衝突することはしばしばでした。しかしこの瞬間、彼女はまさしくハンクのよき理解者となったと言えるでしょう。
ここでもハンク→シャールと影響を与えている構図は変わりませんね。
改めて父と向き合い、父やハンクへの感情に整理が付いたことでシャールの気持ちは大きく変化します。結果から言えば、彼女の気持ちはようやく未来へ向けられるのです。 自分の考えを柔軟に変えられることこそが彼女の強さですね。 なんにせよ、ハンクと再会しないことには始まりませんからシャールは改めてハンクの行方を追うことを決めます。
クーデグラースの目的はハンクの殺害、シャールの目的はハンクを探す(そしてクーデグラースから逃がす?)こと、目的こそ正反対ですが双方ハンクを探すため行動を共にすることを決め(クロードは乗り気ではなかったが)シャールは再び故郷を発つのでした。
物語終盤~
程なくして、一方のハンクは雪山にいました。やはり目的は擬神兵を殺すことです。ここまで自身を律し、弱音を吐かなかったハンクですが自らの「獣」の面と直面し途方もない自己嫌悪感に苛まれていました。
雪山にいたのはロイという擬神兵、通称ガルム。ハンクのダッシュファイターのような容姿をしています。戦場ではハンクに背中を預けられていたという過去があり、隊長として今でもハンクを強く慕っています。どうやら彼は本気のハンクと戦いたいらしいのですが、ハンクはホワイトチャーチの一件で能力を暴走させたことがトラウマになり能力を発動できません。ガルムはそんな様子のハンクに幻滅しながらも、「人であろうとすることがあんたの弱さだ」「誓いを果たすなんて思い上がりだ、隊長」と語気を強めながらはハンクを仕留めようとします。そんな時クーデグラース一行が2人と邂逅。激しい戦闘の末、崖崩れに巻き込まれてハンクは転落してしまいました。
そしてガルムを追うクーデグラース、ハンクを探すシャールに分かれることになります。
そして第10話「二つの誓い」。目を覚ましたハンクの前にはシャールがいました。彼女が無事だったことを知り、安堵するハンク。シャールが自らの父を撃ったことを聞き、彼も自らの気持ちを吐露します。「俺は、分からなくなった」「俺を、殺してくれないか」と。当然そんなことは出来ない、あなたは人間だと言うシャール。それを聞き、ハンクは殺されることを目的に再びガルムの前に立ちます。
この場面のハンクはとても女々しいですね。正直気持ち悪いですがハンクの不安感や苦悩を表すのにこの場面は一役買っています。気持ち悪いと思わせる小西さんの演技も素晴らしいです。
再びガラムの目の前に現れた変わり果てたハンク。彼の真意に気づいてか、ガラムはハンクを仕留めようとします。
その瞬間、シャールが颯爽とハンクの前に立ち、発砲。弾丸は脚に命中し、擬神兵と言えどタダではすみません。
そしてシャールはハンクに自らの気持ちをぶつけます。「必ず人として殺してあげますから」と。言ってしまえばシャールは自らがハンクの安全装置の役割を担うことを誓ったというわけです。ハンクはその言葉を受けて能力を解放し、ガラムを仕留めます。
サブタイトルにもあった二つの誓いというのはハンクとシャール、二人の誓いのことだったということですね。
そしてここが初めて、しっかりとシャール→ハンクと影響を与える場面です。初めは与えられる側だったシャールがここに来てようやくハンクに救いを差しのべる熱い展開と言えます。
ここからは特段語りたいことがないのでサラッと流します(めんどくさくなったとかではない!)。
最終12話「追う者たち」。ケインの目的がしっかりと明かされました。それは擬神兵を頂点とした国を創ることです。彼は、人間を下等で、下賎な生き物と見下しており人間の醜い本性こそがまさに「獣」であると語ります。
これは一杯食わされましたね(笑)。そう来たかと。正直論破された感が否めない…。
サブタイトルの追う者たちとはケインを追うハンク、ハンクを追うシャールと見て間違いないでしょう。
本編のまとめ
ハンクとシャールの構図の逆転、所々に挟み込まれたケインらのカットなど、徐々に引き込まれていく作品だなと感じました。擬神兵に救いはあるのでしょうか、平和な世界は訪れるのでしょうか、人の醜さとは一体なんなのか、と考えさせられる作品でもあります。また、戦争を題材にしているだけあって暗澹とした雰囲気で、とても自分好みでした。
以降余談云々…
- 主題歌
opテーマ:まふまふ「サクリファイス」
作詞作曲歌唱全てまふまふさんが担当しており(!)、そのハイトーンボイスを十二分に生かしたナウでロックなナンバーです(歌えねぇ)。歌詞の内容は「かつ神」の世界観そのものであり、めっちゃ最高(語彙力欠如)です。(sacrificeとは「犠牲」の意)
edテーマ:Gero×ARAKI「HHOOWWLL」
作曲はけいおん!でお馴染みのTom-H@ckさん。この曲も「かつ神」の世界観を踏襲した歌詞、ゆったりとした曲調でedとしてはぴったりだと感じました。(howlとは「咆哮」の意)
- 個性豊かな擬神兵たち
多くの擬神兵は1話か2話程度の出番でしたが、豪華声優陣の熱演や過去回想によりキャラクターとしての魅力が引き立っていました。同時期のアニメに、「鬼滅の刃」という作品がありますがこちらも敵キャラクターに感情移入できるストーリーで、似通ったものを感じます。個人的には早見沙織さん演じる擬神兵、通称セイレーンが印象的です。多くは語りませんがとても歌が上手いというアイデンティティを持つキャラクターに彼女の声が合致していて素晴らしかったです。同時期のアニメ「彼方のアストラ」でも歌のシーンがありましたがこちらも良かったです(言いたいだけ)。
- 考察的なやつ少し
ケインの真の目的はエレインを甦らせること?
ハンクの能力は本当にウェアウルフ?
ニーズヘッグが蘇生したのはケインの手下の擬神兵の仕業?
と言ったところでしょう。原作では回収されているかもしれませんから、多くは語りません。多少の疑問符は余韻を残すのに必要ですね。
- 敵と同じ力で戦う主人公っていいよね
仮面ライダーシリーズや、進撃の巨人が該当するでしょうか。その力に葛藤する主人公の姿はどの作品でも素晴らしいものです。
- ケインの見た目、神バハのユリウスにクリソツ過ぎて草
能力もヴァンパイアだし公爵っぽい見た目だし、意識してないなんてことがあるのか(反語)。
おわり
長々と語りつくしました、全12話のTVアニメ「かつ神」。続編の製作はあるのか、期待したいところですね。
それでは、またの機会に。
まだ脳裏に焼き付くしょおおけぇぇぇぇぇぇぇえはぁ↑ぁぁぁぁああ